掲載日:2018年07月23日
第一回 お盆
「お盆」になりますと一般企業の多くでは「お盆休み」があり、社会人にとっては夏休みと同義語のような感もある「お盆」。しかしながら、日本で古来行われてきた祖先の霊を祀る大切な行事です。故人やご先祖様に思いを馳せ、供養する心で穏やかな時を過ごしたいもの。そこで、「お盆」について今一度、確認してみたいと思います。
「お盆」は、正式には盂蘭盆会(うらぼんえ)といい、故人や先祖の霊が一年に一度、お家に帰ってくる期間で、その霊を迎えて供養する習わしとされています。
一般的にお盆は八月十三日から十五日の三日間(十六日を「送り盆」とする地域も多数あります。)と言われていますが、その期間だけの行事ではありません。例えば、初盆から三年間は、盆提灯や盆灯篭を点灯する七月三十一日の夕方から始まる行事となります。
座敷の外の軒や縁の上に吊るす盆提灯や盆灯篭は、ご先祖様の霊が家に帰ってこられるのに、道に迷わないように家を知らせる目印として点灯するものだとされています。
「お盆」の三日間は、八月一三日が「迎え火」を焚く「迎え盆」、十四日が「盆の中日」、十五日が送りびを焚く「送り盆」となります。
「迎え盆」の十三日には、「盆棚」の飾り付けを済ませた後、お墓参りに出掛けます。そして、夕方、周囲が暗くなり始めたら「盆棚」や「水棚」に迎え団子や供物を供え、「水棚」の前で「迎え火」を焚いてご先祖様をお迎えしつつ、「水棚」に水を注いで供養を。その後、盆棚の前で、家族揃ってお看経をお勤めします。
十四日、十五日は、朝、昼、晩の三度、霊供膳やお仏飯、お茶湯をお供えしますが、ご先祖様と一緒に過ごすという心持ちで、献立もご馳走で供養したいものです。盆提灯や盆灯篭は一日中点灯しておき、祭壇の前でお看経をお勤めします。
十五日の夕方には「送り火」を焚いて、ご先祖様をお送ります。京都の「大文字焼き」や各地で行われる「精霊流し」なども、この「送り盆」の行事です。
簡単に「お盆」について確認しました。地域によって風習はさまざま有りますが、どれもご先祖様を供養することを目的にしています。大切な家族と今一度、「お盆」の過ごし方を考えてみてはいかがでしょうか。