「故人との最後の食事」として位置づけられるのが「立飯」です。この語源は「出立ちの膳」からでしょうか。岡山県など一部の地域で行われている習わしで葬儀当日、出棺前に近親者が故人と囲む最後の膳のことを意味します。
以前は、葬儀が始まる前に、親族だけでなく、お手伝いくださる近所の方にも簡単な食事を食べて頂くということが行われていました。ホールでの葬儀が支流となった昨今でも、親族は早めに来館頂いて、助六寿司や巻き寿司などをふるまうということが行われています。
また「立飯」という言葉を、会葬者に礼状と共にお渡しする、お茶やハンカチなどの品物の意味で使うことも。これは親族以外の会葬者に、お膳に代わるものとしてお渡ししていた名残りと言われています。